祝!初講演を無事に終えました。
皆さん、こんにちは神戸市垂水区ひまわり動物病院の河口です。
1月27日 兵庫県獣医師会主催「耐性菌についてのシンポジュウム」
で講演を行ってきました。
これまで市民を対象にしたセミナーは行っていましたが、今回のような
獣医師の先生方へ向けてお話しするのは初めてなので緊張しましたよ
どんなことをしたのかというと、4人の講師がそれぞれ自分の専門分野
から耐性菌や人獣共通感染症について講演をするというシンポジウムでした。
僕は「皮膚科領域から見た耐性菌について」のお話でしたが、
他の先生たち(日本獣医生命科学大学の准教授、日本医師会の呼吸器専門医、
兵庫県疾病対策課など)は、動物と人の両方に感染する病気のことを
お話しされました。
このお話しが「知らぬは仏」で、一般にはあまり伝わってない
怖~い現状があるんですよ!これを紹介しましょう
①レプトスピラ症について
これは犬の伝染病で、川西市を流れる川沿いを散歩しただけで犬が
3頭も感染したとのことでした。
ここの川沿いは危険とみなされ、封鎖されたそうです、怖いでしょ!
ワクチンを打っておけば防げる病気です。
ワクチンアレルギーがなければ、接種することが大事です。
②結核について
最近、ヒトでも結核が増えてきているそうです。そして、どちらが先に感染
したかわかりませんが、一緒に暮らしている動物にも結核菌が感染して
死亡する事例が大学病院で増えてきているそうです。
結核菌は肺以外にも肝臓など内臓に入り込んで蝕んでいきます。
感染した動物はヒトへの感染源になるため、存在そのものが危険とみなされ
回復の見込みはないので安楽死の対象になるそうです。
亡くなった後も遺体が感染源になるため取り扱いには注意が必要とのことです。
③カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症について
これは犬や猫の口にいる細菌なんですが、犬や猫にかまれることによって
人体に入り込み、噛まれた人の免疫が弱っていると感染して死に至る病気です。
抗生剤で治療できるので、噛まれた人は抗生剤を飲みましょう。
口移しで食べ物を与えてる人、動物が口を舐めるのをスキンシップとして
許している人、飼育している動物の性格が荒くて噛まれたりすると感染する
可能性があります。噛まれたり、舐められたりする人の免疫が落ちていると
感染するかもしれないとのことなので、健康であればまず大丈夫だと思い
ますが、口移しなどの行為は細菌がたくさん体に入ってしまうので、
できれば避けたほうがいい行為と言えますね。
最後に、ペットとの生活はそんなに危険なわけではありませんが、
ペットを清潔な状態で飼うことは重要ですね。
キレイな環境は健康の維持に欠かせませんよ!
院長 河口祐一郎